以前は30兆円産業と言われ、不況に強い業界とされてきました。
しかし直面した事のないウイルスの危機や改正健康増進法によりユーザー離れが進んでいます。
目次
減少する遊技人口とホール件数
2020年に入り、パチンコユーザーとホール件数は激減しています。
各パチンコホールが加盟する全日本遊技事業協同組合連合会【全日遊連】の発表によると、1995年には全国に約1万8000店もあった店舗は2020年1月に8000店台にまで減少しています。
店舗が減少した理由は言うまでもなくユーザー数の減少です。
レジャー白書によると、95年のパチンコ参加人口は約3000万人と国民の4人に1人がパチンコを楽しんでいました。
当時はTVのゴールデンタイムにパチンコ対決が放送されることは普通にありましたよね?
しかし最近は1000万人を割り込んでいます。全盛期の1/3以下にまでパチンコユーザーは減少してしまいました。
様々な要因がありますのでいくつか紹介します。
ユーザーの遊び方の変化
1995年以降、娯楽の種類が増えました。
インターネットの普及と携帯電話の普及です。
登場した時にはパチンコに及ぼす影響はあまりありませんでしたが、2010年代あたりから直接影響を及ぼすようになりました。
無料ソーシャルゲームの台頭によりお金を使わず遊べて、全国のユーザーと繋がれたりガチャによるギャンブル性があったりと、パチンコにはない魅力を兼ね備えていたため、若年層を中心にパチンコ離れが加速しました。
お金を使わずにパチンコを楽しむ方法としてはパチンコやスロットアプリが拡がり、YouTubeを見れば打ったような感覚になるので来店回数に影響を及ぼしたと考えられます。
無料で楽しめるコンテンツと場合によっては大金を失うリスクのあるコンテンツ、今の時代にはリスクが少ない、リターンはいらないコンテンツが楽しまれるようになってきたと言えます。
ギャンブル性の低下
店舗軒数、遊技人口共にピークだったころのパチンコ台は、一撃の出玉性能がとても高く、多くのユーザーを魅了していました。
パチンコが落ち着くと今度はパチスロの射幸性が高くなり、ミリオンゴッドや獣王など社会現象を起こす機械も登場しました。
射幸性の高さゆえに、借金してホールに向かうユーザーを増やしてしまい、ギャンブル依存症などの社会問題を誘発しました。
それをきっかけに規則は厳しくなっていき、ギャンブル性は低下していく事になりました。
一気に低下する訳ではなく、多少波はありました(1/500の時代、1/400の時代は射幸性が上がった)。
2020年現在、パチンコは確率の上限が1/320未満で1回あたりの出玉の上限が1500発となりました。
パチスロは6号機時代に突入し、1撃で獲得できるコインの枚数は2400枚が上限となりました。
大きく勝つことも負けることもできなくなった現在のパチンコやパチスロにユーザーは物足りなさを感じて稼働離れを誘発し、さらに売り上げが立ちづらい機械性能の為、ホールは大きな収益を上げられなくなっていきました。
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収益を上げられなければ、ユーザーに還元ができない。それゆえに勝率も下がってしまう。
勝ちづらくなったこともパチンコ離れに拍車をかけています。
機械代の高騰も影響
勝ちづらい要因に拍車をかけているのが機械代の高騰です。
私がパチンコ業界で営業を始めた15年前は1台あたりの金額は本体でも約20万円でした。
内規が変わったり大型コンテンツが出てくるとじわりじわりと価格が高騰していきました。
京楽産業がどんどん金額を吊り上げ、現在は税込みで50万円をこえる機械はどのメーカーからもあたりまえのように登場します。
20台買うだけで1,000万円します。
早急に回収しなければ人気が落ちて稼働しなくなるリスクがあるのでユーザーの負担は大きくなる訳です。
禁煙による客離れ
パチンコホールと言えば入店したときの爆音とタバコのにおいのイメージがあります。
ハマった時、確変を引いた時、大当たりした時などにタバコを吸う人が多かったように思います。
2020年4月から改正健康増進法により、パチンコ店は原則全面禁煙となりました。
日本遊技関連事業協会が2018年に行ったアンケートによれば、パチンコユーザーの喫煙率は54.7%でした。
国民生活基礎調査のデータによると、同年の成人喫煙率は男女計で17.8%なので、パチンコユーザーは全国平均よりも圧倒的に喫煙率が高いと言えます。
心置きなくタバコを吸える空間だったからパチンコを打つという方も多く存在していました。
今後はタバコを吸うためにいちいち離席して、喫煙ブースや屋外へ向かう事になるので面倒くさい&勝負の熱が冷めるイメージを持たれます。
狭い喫煙ブースだとユーザー同士気まずい思いをする事があると思います。
愛煙家のパチンコ離れが懸念される中で「パチンコ店がクリーンになることで、家族持ちのサラリーマン層を取り込めたり新規ユーザーを呼び込めるのでは?」という意見もあります。
禁煙になって数週間経過した状態で現記事を執筆していますが、残念ながら上記の様な現象は起きていません。
コロナウイルスによるユーザーの減少
全国この様なホール増えそうで怖い。https://t.co/BoQU8bWpS0
— 白ジャギ様だ〜@パチ営業マン (@pachinko_tiger) April 18, 2020
コロナの影響は大きく、倒産するホールが出てきました。
これからこのようなホールは増えると思われます。
東京都の小池都知事が「3密を避けて下さい・・・」と発表しています。
密閉
換気の悪い密閉空間
密集
多数が集まる密集場所
密着
間近で会話や発声をする密着場面
実際ホールでは天井も高く換気も行っているので密閉には該当しがたいですし、会話や発声もあまりしないので密着には該当しないと思われますが、世間の認識ではパチンコホールは3密を満たす条件が揃っていると思われています。
いままでのパチンコ業界のイメージは良くないですが、コロナ感染の温床というイメージを持たれてしまった為、稼働は激減しています。
リスクを回避したい意向が高い高齢者の層がかなり減っています。詳しくはこちらの記事をご覧ください。 白ジャギどーも、白ジャギです。コロナウイルスの影響により、パチンコ業界も一段と厳しい状況になりました。 白ジャギ今回はコロナウイルスがパチンコ業界に与えた影響を、メーカー、ホール、ユーザ ...
コロナウイルスが与えたパチンコ業界への影響とは?
あるエリアの入客状況を取引先店長に聞きましたが、昨年の同じ日と比較して稼働が約50%落ちたと言っていました。
取引先で1000台クラスの店で稼働200人を下回る日も良く見ます。
ユーザーに話を伺うと
と言われました。
全国のパチンコの平均アウトは平日で10,000個を切り、8,000個も下回ってきました。
極秘データ ↓(削除依頼があれば消します)
緊急事態宣言が47都道府県に広がり、営業自粛や時短営業など、売り上げを立てる事が困難になっています。
まとめ
パチンコ業界は今が耐え時です。
娯楽産業として今後縮小するとは思いますが、コロナが収束すれば必ず人は戻ってきます。
業界健全化に向けた努力は報われると思いますのでその日を信じてじっと待ちます。